「タイパ」時代の管理組合
「タイパ」なる流行り言葉があることを聞いた。「タイパ」とは「タイムパフォーマンス」のこと。かつてコストパフォーマンスのこと「コスパ」と言って流行った時代もあったが、今は「タイパ」。「タイムパフォーマンスが悪いから、止めておこう」のように使われている。
会社の上司との「飲みにケーション」文化の衰退。電話を止めてLINEやショートメッセージ利用への変化。スマホ一つでできるネットショッピング。ネット配信のため選曲する際のイントロの短縮化まで。時間を優先するのは、若者Z世代だけに留まらず、世の中全体が変わりつつあることを実感する。
こんな世の中で、管理組合運営はどうだろう。限られた時間を自分の趣味や好きなことに時間をかけたいという価値観が拡がる中で、共用部分の管理のことなど理事会の場で協議すること自体、「タイパが悪いのでやってられない。」と理事就任を辞退したり、管理会社や外部の管理者に任せっきりになったりするのもわかる気がする。管理組合(理事会)は大事な資産であるマンションを快適に居住できるようにするとともに、資産価値を維持、向上していくために必要不可欠だ。これをないがしろにしていては、将来しっぺ返しを喰らうことになるのだが、と憂いたくなる。
「タイパ」の時代、せめて理事会運営は効率よく、短時間で。またはオンラインでも手軽に参加できるようにする工夫など、管理組合を運営する側も「タイパ」を意識する必要があるのではないだろうか。