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大規模修繕の上手な進め方とは…

投稿日:2024年10月23日

「大規模修繕工事をどう進めればよいかわからなくて…」という相談をよく受けます。管理組合でたまたまその時期に理事や修繕委員になったという方々にとって、大規模修繕工事の進め方がわからないのは当然です。こうした相談の際には「悪質な設計事務所や工事会社に騙されないように!」と必ずアドバイスするようにしています。それに対しては「どうして…?」と多くの皆さんは訝ります。

この管理組合では、修繕委員に加え理事会、それに組合員の希望者を対象にして「大規模修繕工事で騙されないように!~大規模修繕工事を成功に導くには~」と題してミニセミナーを行いました。

なんで、そんなセンセーショナルなタイトルで呼びかけにするのか、それはそれだけ、マンション改修業界には管理組合と利益相反する行為をする悪い輩がいるからなのです。大規模修繕工事には多額なお金が動きます。見えないところでお金の授受があることを「悪い」とは管理組合側から見ればそのとおりですが、反対側にいる当事者が「悪い」ことと思っていないところに、マンション改修業界の深い闇があると言えるのではないでしょうか。

私のミニセミナーの中では、大規模修繕工事には工事会社に施工を任せる責任施工方式と、工事とは別の第三者が設計と監理(チェック)を行う設計監理方式があることから説明を始めます。この両者を競争原理の視点からみると、仕様を作ってから施工会社選定をする設計監理方式に分があります。しかしながら、設計監理をリードしていく設計事務者(または管理会社)が施工会社と癒着してしまうと、もはやそのメリットどころではなく、見えないところでバックマージンが払われるなどで管理組合に重大な不利益が起きてしまうのは自然と言ってもよいのかもしれません。

では管理組合はどうすればよいのか。それにはこうした悪質設計事務所に騙されないように自衛するしかないのです。そのためにはいくつかの注意すべきポイントがあります。まずは、設計事務所は決して価格重視では選ばないこと。それは安く受注し、足りない分は施工会社からのバックマージンなどで補うという手口があるからなのです。このことは平成29年に国土交通省からも注意喚起がなされ、以降、注目されるようになりました。騙されないためには、金額だけで選ばずに、ヒアリング実施などで品質や誠実度合いをチェックしていくしかありません。でも口で言うのは簡単ですが、あまたある候補の中から管理組合に寄り添った誠実な設計事務所を選ぶことができるのかと言うことになります。でも方法はあります。手間はかかりますが、悪質な設計事務所に見られる傾向を分析し、それをキーにしてヒアリングでふるいにかけ、誠実な候補に絞っていく方法です。中々、大規模修繕工事に慣れない管理組合の方には難しいかもしれませんが、誠実な設計事務所を選定していくには、管理組合が主体となって候補を選定していくしかないのです。

最後にもう1点。大規模修繕工事では数千万円、中には億単位の大きなお金が動きます。それゆえに透明性のある運営を行うためには、候補選定の経緯や理由も含め、組合員への情報開示が大切であることは言うまでもありません。こうした点に留意しながら管理組合での大規模修繕工事の成功を祈念いたしております。


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