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日本最古の分譲マンション”四谷コーポラス”探訪

投稿日:2017年09月09日

昭和31年、私が生まれるよりも2年前に日本初の分譲マンションとして四谷コーポラスが誕生しました。以来61年、四谷の街に風格を刻んできたマンションですが、時代の流れとともに、建て替えが決まり、まもなく解体されることが決まりました。そんな中で、愛すべき四谷コーポラスの見納めともなる見学会に参加しました。

鉄筋コンクリート造5階建て28戸とこじんまりとしたマンションで、今でこそ、珍しくなくなりましたがオーダーメードの設計で個性的な間取りや部屋の造りに驚かされます。メゾネットタイプが主流のため、部屋の中に階段があるのが印象的です。またメゾネットタイプのため共用廊下は1階と4階のみ。こうした理由から階段室は天井が高く、階段室の開口部はサッシで閉じられることがなく開放的で、不思議な感覚です。竣工当時はいかに瀟洒で高級なマンションであったのだろうと察せられます。ダストシュートやキッチン廻り、洗面所と窓で繋がった浴室、個性的なトイレ、押し入れを挟んで両方がつながった間取り、クローゼット的な収納、作り付けの書棚、住戸ごとに異なる個性的な階段、サンルームとしての有効利用などなど、館内を見学して感動した点には枚挙にいとまがないほどです。さすがに畳の間だけの和室タイプなど今の時代には陳腐化しているとも見えますが、床の間や欄間があったりで何とも言えない風情を醸し出しています。画一的な団地がこの後の時代に続くことになりますが、その前の時代には、一つのマンションの中にかくも様々な個性と工夫が施されていることは驚きと感動です。時代は変わったものの、思想は現代にも繋がるものがあります。古い中にマンションの原点を見る思いがしました。この時代にこの建物を作り、今日まで維持してきた所有者、管理組合の方々に敬意を表したいと感じました。

★同潤会上野下アパート、宮益坂ビルディングが姿を消し、ついには四谷コーポラスも時代の役目を終えることになりました。懐古主義のひとりとして寂しい限りですが、分譲マンションの原点をしっかり瞼に焼き付け、思い出のCIMG9105一つに残しておきたいと思います。

CIMG9115

 

CIMG9054


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