第三者管理者問題について講演会実施
10月29日台風が迫る中での開催でしたが、30名を超える熱心な方々が集まりました。既に第三者管理方式の物件を所有する方が全体の4分の1程度でしたが、そうではない方も今回のテーマ「第三者管理者方式の問題」について賃貸オーナーの視点から、その功罪について関心をもって聞いていただけました。日本では標準管理規約の「理事会方式」が主流で区分所有者以外の「第三者」が管理するのは、さほど多くはありません。しかしながらリゾートや賃貸物件では、この「第三者管理方式」は決して珍しいものではありません。役員のなり手不足が深刻化する中で、役員の負担軽減に大きな効果があることから、今脚光を浴びています。ただし、第三者管理者方式には、管理者と区分所有者間の信頼関係が崩れた場合に、適正な管理ができなくなるばかりか、区分所有者の意見とは違った行動が現れたり、区分所有者の利益に反するデメリットがあることも事実です。
こうした信頼関係が崩れた時、管理組合でどのような事態に陥るのか、竣工以来「理事会」がない第三者管理方式の「リバティマンション(仮称)」における管理適正化に向けた管理者との壮絶なバトルを再現し、「第三者管理者方式」の危うい実態を共有しました。またここまで酷くはなくても日常によくみられる身近な事例について、一歩間違えればたいへんなことになることを共有するとともに、解決策についても、実際の解決事例をもとに考えていきました。
そして最後に第三者管理方式の物件を購入する場合、途中から第三者方式になる場合の対応策のヒントを参加者に披露しました。この問題の本質は管理者(管理会社)のモラルは当然ではありますが、区分所有者の「無関心」が助長していることも事実であることから、日常の管理や総会時に管理者の行動をしっかりチェックし、監視していくことが重要であること共有しました。