賃貸住宅フェアー概要レポート
賃貸住宅フェアが全国賃貸住宅新聞社の主催で今年も7月24日~25日にかけて東京ビックサイトにて開催されました。賃貸管理はマンション管理士の活躍の場である建物管理ではないものの、マンションの資産としての管理は区分所有者の視点で考えるうえで、かつ最新情報を入手するうえで、たいへん貴重な機会になっています。
《イベント内での主なセミナー》
●基調講演「日本経済の構造変化と借家について」野口悠紀雄先生:①人口減少の社会において新築住宅の需要は減少。即ち住宅価格・地価は上昇しないことから「持家」から「借家」への転換が進行する。②消費税改定が近い。賃貸は非課税であり、これ自体は貸主に有利だが、貸主負担の修繕費用にかかる消費税を家賃に転嫁できない恐れがある。この解決のためにはフランス等で実施の中間取引段階でのインボイス方式が有効、ほか。
●家賃5万円以下ドットコム大ヒットの背景:生活保護層も含めた超貧困層の増加により年収に見合う家賃は、5万円以下物件など低額賃料物件に時代のニーズがある。
●管理会社からみる賃貸住宅居住者の傾向:①スマホ効果でネットで物件選定が加速。成約までの日数も短縮化。②賃貸居住者に最もアピールできるのは、退去した前の入居者。彼らのプラスのコメントを活用できないか。
●入居者アンケートから見た家賃アップの色・数字・形:①求められるのは万人受けする無難な部屋ではなく、一部の人でも積極的にカッコいい、面白そうと評価してもらえる物件。これらが仲介会社も勧めやすい②女性が選ぶポイントはキーワード「かわいらしさ」。これが部屋のどこか1か所でもあればそれが売り。③決定は一瞬。最初のインパクトが大切。④全体の満足度はデザイン性。⑤直線から曲線にレイアウトを変えるだけで魅力倍増する。
★このほかにも現在の賃貸マーケットと居住者ニーズを知るうえで参考になるコンテンツ多数あり。勉強になりました。