2016年を迎えるにあたって
新年あけましておめでとうございます。
新しい年を迎え、気持ちが改まったところで、今年の管理組合活動に向けた抱負をお話します。
私が考える2016年のマンションに関するキーワードは二つ。一つは「民泊」の浸透です。昨年の大阪府や東京都大田区での条例制定を機にメディアでも随分と取り上げられるようになって、一気に世の中に知られるようになってきました。この「民泊」は、居住者の視点で見た時に、今の展開は決して望ましいとは言えません。現在の様に無策のままでは管理不全が必ず沸き起こるからです。違法とは言いながらも、現在水面下での「民泊」の浸透はすごい勢いで進んでいます。2020年に向けて国を挙げて海外からの旅行者を増やそうという方針がある中で、民泊問題は避けて通れるものではありません。むしろ違法的な「民泊」が今後、爆発的に拡大する可能性があります。そうなってからでは遅いのです。
もう一つのキーワードは管理規約です。折しも国土交通省による標準管理規約のパブリックコメントが昨秋出されて、いよいよ改定案発表へ秒読みの段階になっています。コミュニティ条項や外部専門家の活用など賛否両面から注目を集めています。発表される改定案がどのような形であったとしても、管理組合としてマンションの実態に合った管理規約を作っていくことが重要です。
一つ目のキーワード「民泊」もこの管理規約で、ルールを明確に定め、日常管理でしっかり縛っていくことによって居住者にとって不都合のない適切な対応が可能になるのです。こうした時代の趨勢の中で、決して諦めたり、投げ出すのではなく、管理組合としてできることを一つ一つ創り上げていきましょう。マンションのよりよい管理を実現すれば、快適で住みやすいマンションになります。そうなれば自ずとマンションの資産価値も上がっていきます。私たちに求められるのはこうした地道な活動の積み重ねであると思います。
新年はこうした視点で、マンション管理士として管理組合に適切なアドバイスができるよう努めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたしま 2016年 元旦