2017年を迎えて
新年明けましておめでとうございます。
昨年は社会の変化が激しい中で、マンションに関連した“世界”でも大きく変動した1年でした。熊本地震による建物・設備の被災、5年ぶりの標準管理規約改定、外部管理者制度の導入気運、民泊容認に向けた新制度の検討などなど。この流れは今年も続きます。民泊新法が1月に始まる通常国会で審議されようとしています。これまで文字通り「住宅」であったマンションの一室が、ある日からホテル代わりの宿泊施設に認められることになります。一方でマンションの高経年化は一年前より確実に進行します。これまで先送りにしてきた建築、設備改修も「待ったなし」の状態になっていきます。こうしたマンションに関連する環境が一層厳しくなる中で管理組合運営のかじ取りの難しさも増していくでしょう。「難しい、難しい」と、強調し過ぎて役員を引き受ける方が、いなくなってしまっても困るのですが、現実から目を遠ざけることは最早できない状況にあるのです。「今までが大丈夫だったから、まだいいか」では立ち行かなくなるのです。そればかりか、対応を先送りすることで、状況が一層悪化する懸念があります。ならばどうするのか。どうせやらなければならないことならば、覚悟を決めて、『今できることをする』。それしかないのです。
なかなか皆さん、日々の仕事や生活が忙しく、マンションのことをじっくり考える余裕はないかと思いますが、1年の節目の時にマンションの現状を直視し、今できる一歩を踏み出そうではありませんか。こうした管理組合、区分所有者の方を支援する役割が私たちマンション管理士です。「現状の課題解決に取り組んでみよう」と意識を持たれた皆さんのために、少しでもお役にたてる一年になれば幸いです。
皆様のご多幸、ご健勝を心よりお祈り申しあげます。
2017年元旦