上階からの漏水にはどのように対応したらよいですか。
- ファイルNo.
- 007
- マンション形態
- 分譲マンション
- 戸数
- 28戸
- 築年数
- 28年
- 地域
- 東京都内
- 管理方式
- 理事会方式
- 相談内容
ユニットバスの換気扇から水滴が落ちています。この場合はどう対応すればよいでしょうか。
- 回答
(1)建物管理会社を通じて上階の区分所有者(賃貸であれば居住者も)に連絡をとります。
(2)漏水元とその原因を確認します。(漏水部署の確定のためには給水管、排水管、給湯管を水圧測定などにより漏水個所を特定します。)
(3)原因が特定できればその部分の補修を行います。手順は至ってシンプルですが、構造上の問題から水圧調査ができなかったりで、原因の特定がなかなかすぐにできない場合があります。その場合には上階の区分所有者の了解を得て、壁や床下の一部開口することにより特定していきます。
- 補足とコメント
この物件では原因特定がすぐにはできず、上階のユニットバス周辺部の開口による原因調査に立ち会うことになりました。給湯管の配管されている箇所を推測しますが、正しい位置は開口しなければわからないためユニットバス外側の壁の一部を開口し、配管の位置をもう少し詳しく見ていきます。ここだろうという床下を開口し、水漏れ状況を確認します。今回はそれでも特定ができませんでしたので、さらに給湯管配管の先の壁の一部を開口します。そこで初めて室内電気温水器の排水管継手部分の腐食から漏水していることが判明し、その箇所の補修工事を実施し漏水は止まりました。
今回は専有部内からの漏水と特定できましたが、専有部内か共用部内か特定できない場合があります。
この様な場合には、区分所有法の規定で「建物の設置または保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置または保存にあると推定する。」(9条)として共用部分の負担として対応する場合もあります。この場合には共用部分の保険があればこれを使って請求することも可能です。
また漏水は原因特定までがやっかいなことがよくあります。この原因特定のための「原因調査」にけっこう費用がかさみます。そのため、管理組合として保険を検討する際には、「漏水原因の調査」を特約として付保することを忘れないようにしましょう。